食べ物辞典:プルーン
サッパリとした甘味と大きな種が特徴のプルーン。プルーンとプラム呼び名が混同しややこしいものの、ここでは西洋スモモ(学名:Prunus domestica)と呼ばれる縦長・紫色系の果皮をしたものをプルーンと表記しています。プルーンは栄養豊富なミラクルフルーツとして話題になった果物ですが、生100gあたりの栄養成分量として見てみれば、オールマイティーな万能果物というわけではないので過信は厳禁でもあります。そんなプルーンとプラム・スモモ類の違い、栄養効果などついて詳しくご紹介します。
和名:西洋スモモ
英語:Prunes
プルーン/プラムのプロフイール
プルーンとは
さっぱりとした甘酸っぱさと瑞々しさ、真ん中にある大きな種が特徴的なプルーン。青果としてよりも、ドライフルーツやジャム・お酒類など加工品としての方が馴染み深いかもしれません。近年はアサイーやキヌアを筆頭に様々な食材がスーパーフードやスーパーフルーツと呼ばれていますが、プルーンもはビタミンやミネラルが豊富な果物であるとして欧米で「ミラクルフルーツ」や「生命の実」と呼ばれていました。色々と話題になった健康食品を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんね。
植物としてみると、プルーンはバラ科のうちサクラ属もしくはスモモ属(Prunus属)に分類されています。名前の通り日本の春に欠かせない「桜」の木とも近縁種ですし、サクランボをはじめ梅・杏・スモモなども仲間と言えます。スモモ属の代表的な果物を列挙すると必ずと言って良いほど「プラム」が登場しますが、このプラムという言葉が曲者。スモモから品種改良されて出来た品種群を指す場合もありますし、一般的にプルーンと言われて想像する果物の呼び名としても使われています。プラムはPrunus属の属名でもありますから、間違いではありません。
特にスモモ(李)とプラムはは種が違いますが非常に近い存在とも言われており、英語ではスモモのことを“Japanese plum”もしくは“Asian plum”と表現します。逆に日本ではプルーンに「セイヨウスモモ(西洋李)」という和名を付けていますよ。大根とラデッシュの認識差のようなものと言えるかも知れません。日本の消費者目線としては慣例・便宜上、東洋(日本すもも)系統品種で丸い形・果皮が赤っぽい色をしたものをスモモもしくはプラム、西洋スモモ系品種で細長い形・果皮が紫色系の色をしているものをプルーンと呼び分けることが多くなっています。
プルーンの歴史
プルーンの原産地はコーカサス地方、黒海とカスピ海の間の小アジアと呼ばれている辺りとされています。古い時代から人間によって栽培されていたのと考えられており“世界最古の栽培果樹”の一つに数えられることもありますよ。新石器時代の遺跡からもプラム(Prunus domestica)が発見されています。余談ですがコーカサス地方は現在、ご長寿地域として紹介されることの多いエリア。長寿の秘訣としてはカスピ海ヨーグルトがよく紹介されていますが、コーカサス地方ではプルーンを「命の果実」と呼んでいたという説もありますよ。
プラムを乾燥したプルーンも古い時代から作られており、携帯食として乾燥プルーンがギリシアへ、そしてローマへと伝わって行ったと考えられています。プルーンやプラムという現在の呼び名も、共にギリシア語の「プロウノン(PROUNONまたはPROUMNON)」が語源とされています。また古代ローマで大プリニウスによって記された『博物誌』にはプラムの栽培についての記述が見られることから、約2000年前にはヨーロッパエリアでも栽培が行われていたとの見解が主流となっています。プルーンはローマからフランス・ドイツ・イギリスへと広がっていき、特に南フランスでは盛んに栽培が行われるようになったと言われています。
そして大航海時代を経て、ヨーロッパ系の人々がアメリカへと盛んに移住するようになった19世紀。フランス人のルイ・ペリエがカリフォルニアにプルーンを移植し、風土に合うように品種改良を重ねたことで「カリフォルニアプルーン」が誕生します。20世紀に入ることにはカリフォルニアでのプルーン栽培が拡大し、現在では世界で生産されるプルーンの4分の3近くがカリフォルニア産となっています。
ちなみに日本では、弥生時代頃に東洋系プラム(日本すもも)と呼ばれるスモモ、学名Prunus salicinaが渡来していました。西洋系のスモモであるプラム(プルーン)も明治初期に導入され、東日本を中心に栽培が試みられましたが、多雨多湿の日本の風土での栽培には適さず定着しなかったそう。逆に19世紀にアメリカへと渡ったスモモは米国の育種家によって品種改良され、後に逆輸入のような形で「プラム」として日本に導入されることになります。
スモモ(プラム)についてはこちら
プルーン(プラム)の栄養成分・効果について
栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
プルーンはミラクルフルーツやワンダーフルーツと呼ばれるほど栄養価の高い食材であると紹介される果物。かつ100gあたりのカロリーは49kcalとブルーベリーやみかんなどと同じくらい、GI値も29と低いのでダイエット中の間食としても取り入れられています。ブドウ糖や果糖など体内に吸収されやすい単糖類が多いので疲労回復やエネルギーチャージにも役立ってくれるでしょう。
確かにビタミンEやビタミンB群などのビタミン類やミネラル類を幅広く含んでいる食材であり、β-カロテンやポリフェノールなど抗酸化物質を多く含んでいることも注目されています。ただし100gあたりの含有量として見ると豊富とは言い難いものも少なくありませんから、栄養バランスの良い高栄養食というイメージは持たないほうが良いでしょう。
プルーンの効果効能、その根拠・理由とは?
便秘予防・改善
プルーンはヨーロッパを中心に「便秘の妙薬」のように扱われてきた食材でもあります。日本でも食物繊維が豊富な食材と見做されていることが多いですが、実は生状態であれば100gあたりの食物繊維総量は1.9g。果物類の中で見れば少ない訳ではありませんが、例えばキウイフルーツであれば100gあたり2.5gですから際立って多いという程でもありません。リンゴの4倍以上などと称されているのは“生”状態同士の比較ではなく、乾燥状態のプルーンの食物繊維量を使った比較でしょう。
では何故プルーンが便秘に良い食材として取り入れられているのかと言うと、ペクチンなどの水溶性食物繊維の比率が高いということが考えられます。生のプルーン100gあたり1.9gとされている食物繊維の内、水溶性食物繊維が0.9gと全体の半分近くを占めています。水溶性食物繊維は呼び名の通りに水に溶ける性質があり、ゲル状の粘液質となることで便の硬さを調節すしてお腹の調子を整える働きが認められています。また腸内の善玉菌のエサになることで善玉菌の増殖を助け、腸内フローラのバランスを整えてくれる成分としても近年は注目されていますね。
加えて近年は糖質(糖アルコール)の一種であるソルビトールという成分にも水分保持作用があり、便を柔らかく保つことで排泄を促す作用があることが認められています。膨張性緩下剤の成分にも使われていますね。プルーンには便のかさを増やして腸を刺激することで蠕動運動を促してくれる不溶性食物繊維も含まれていますから、こうした成分が複合して働くことで便秘の予防・解消をサポートしてくれると考えられます。
貧血予防・妊娠中の健康維持
プルーンは貧血予防や妊娠中の栄養補給・健康維持に役立つ果物として紹介されることもあります。そのため鉄分が豊富な果物というイメージを持たれがちですが、実は『日本食品標準成分表』に記載されているプルーン(生)100gあたりの鉄分含有量は0.2mg。果物の中だけで見ても鉄分が豊富とは言い難いですし、葉酸含有量も100gあたり35μgと多くはありません。プルーンが貧血予防や軽減に用いられているのは鉄分補給に適した果物という意味ではなく、葉酸やビタミンB6などの造血に関わる栄養素、鉄分吸収を高めるビタミンCや銅などが総合的に含まれているという事が大きいと考えられます。各々の成分の含有量は少ないですがマルチミネラル・ビタミンのような感覚ですね。
欧米で「ミラクルフルーツ」と呼ばれているのも、様々な栄養成分を含んでいる点が評価されたのではないかと考えられてます。またアメリカの病院では妊娠中の女性に対して栄養補給や貧血・便秘用にプルーンジュースを飲ませるところもあるそうですから、そうした話が過剰に広められたことで、貧血にはプルーンのイメージが定着してしまったのかも知れません。ちなみに日本で女性の大半を占めている一般的な貧血は鉄分の不足が原因の鉄欠乏性貧血であるという統計が出ています。鉄欠乏性貧血もしくは鉄不足気味の女性であれば、プルーンを食べて不足分の鉄分を補うのは難しいように思います。
アンチエイジング(抗酸化)
アンチエイジングやエイジングケアとして、近年は活性酸素を除去・抑制してくれる抗酸化物質を含む食材が注目されています。プルーンもβ-カロテンやビタミンEなど抗酸化作用が認められているビタミン類が含まれていること、ポリフェノール類が含まれていることから抗酸化フルーツの一つとして期待されています。プルーンに含まれているビタミンEは生100gあたり1.3gと果物類では多めですし、β-カロテンも生状態であれば450μg・乾燥状態であれば1100μgとなっていますから補給源として嬉しいですね。
またプルーンに多く含まれているフェノール類(ヒドロキシケイ皮酸類)に分類されるポリフェノールのネオクロロゲン酸も高い抗酸化作用を持つと考えられています。ネオクロロゲン酸の含有量については目安と出来るデータがありませんが、かつてアメリカで抗酸化力の指標として用いられていたORAC値(Oxygen Radical Absorbance Capacity/活性酸素吸収能力)でもプルーンは野菜・果物の中ではかなり高い数値が付けられていました。2010年にサンディエゴ州立大学らによって発表された研究ではドライプルーンを間食として摂取することで抗酸化力の上昇が見られたことが報告されていることもあり、アンチエイジング(エイジングケア)をサポートしてくれる可能性が高い食材としてプルーンが注目されています。
心臓の健康サポート
プルーンは抗酸化作用によってコレステロールの酸化を抑えるだけではなく、悪玉(LDL)コレステロール低減や動脈硬化の予防にも役立つ可能性があることが報告されています。これはヒドロキシ桂皮酸やクマリン・フラボノイドなどの抗酸化物質の働きに加え、水溶性食物繊維が余剰コレステロールの排出を助けている・カリウムが血圧上昇を抑制しているなどの関係もあると考えられています。またネオクロロゲン酸にもLDLコレステロール酸化防止に優れた効力があるという説もあります。
2009年にはイギリスの専門誌にプルーンが動脈硬化の発症を遅らせるという見解が掲載されており、カリフォルニア大学からもプルーンを毎日食べ続けることで総コレステロールとLDLコレステロールが共に減少したという実験報告が発表されています。そのほか動物実験も含めるとプルーンがLDLコレステロール低減効果を持つ可能性を示唆した実験報告は数多くなされており、血圧やコレステロールのコントロールをサポートしてくれるかもしれない食材として世界的に注目されています。アメリカの第3次国民栄養健康調査ではプルーンを常食する人の方がビタミンの血中濃度が高い・善玉コレステロール値が高いという結果も出ているそうですよ。
骨粗鬆症予防
近年プルーンは閉経後にホルモンバランスの変動によって起こる骨密度低下・骨粗鬆症予防に役立つ可能性がある果物として、一部メディアで取り上げられています。その理由としてはカルシウムやマグネシウムの補給に役立つためであるという説もありますが、生状態であればプルーンに含まれているカルシウムは100gあたり6mgとさほど多くはなく、骨量維持に関わるマグネシウムやビタミンK・ビタミンDなどもほとんど含まれていません。
プルーンに骨粗鬆症予防効果があるかどうかはっきりとは断定されていませんが、動物モデルに抗酸化成分を多く含む果物を食べさせる実験ではプルーンに骨を健康に維持する働きが見られたことが報告されています。それを受けて2011年に米国フロリダ州立大学で行われた閉経後の高齢女性を対象に行った実験でも、尺骨および背骨のBMD(骨密度)を有意に増加させたという結果が報告されています。こうした実験結果から「プルーンが骨量を調整するのにきわめて有効である」という見解もあり、特に女性ホルモンの乱れに伴って起こる閉経後の女性の骨の健康維持に対して今後の研究が期待されています。
むくみ予防・ダイエットサポート
プルーンはカリウムを含んでいることから、血圧の上昇を抑える以外に、余分な水分を排出させてむくみを予防・改善する働きも期待されています。カリウムはナトリウムと競合して細胞内外の浸透圧を調整する働きがあり、不足していると体は血中ナトリウム濃度を一定に保つために水分を多く取り入れます。適切にカリウムを補給することでナトリウム・ナトリウム濃度を調節するために蓄えた水分排泄を促す=むくみ緩和にも繋がるということですね。抗酸化作用を持つポリフェノール類やビタミンEも血流を正常に保つ手助けをしてくれますから、カリウムの利尿作用と合わせて体液循環を良くしてむくみ改善をサポートする働きが期待できます。
またプルーンは食物繊維が多いので消化スピードを遅らせることで空腹感を軽減したり、血糖値の急激な変動を抑える働きが期待できることからダイエット中の方のサポートに優れた食材であるとする見解もあります。栄養バランスを整えてくれる・ダイエット中に起こしやすい貧血の予防にも繋がると言われていますが、上記でご紹介したようにプルーン生100gあたりの鉄分含有量は0.2mgと多くはありません。プルーンは確かに様々な栄養素を含んでいる食材ではありますが、メインの補給源となるほどの量を摂取するものではありませんから栄養バランスの良い食事を心がける中で補助的に、もしくは間食として取り入れるべきだと言えます。
肌荒れ予防・美肌作り
高い抗酸化力を持つと考えられていることからプルーンは外見、お肌のアンチエイジングをサポートしてくれる食材としても期待されています。肌細胞が活性酸素によってダメージを受けることはシワやシミ・皮膚のたるみ・くすみ・ターンオーバ機能の低下などの原因になると考えられていますから、内側からも抗酸化物質の補給を心がけることで肌老化の速度を遅らせる手助けをしてくれる可能性はあるでしょう。
加えてプルーンには末梢血管を拡張することで末端部までの血流をサポートしてくれるビタミンE、体内でビタミンAに変換されることで皮膚や粘膜を健康に保ったり乾燥を予防する働きがあるβ-カロテンも含まれています。タンパク質やアミノ酸の分解と合成に関わり、皮膚や粘膜の健康維持をサポートしてくれるビタミンB6の含有量も比較的多いので、ビタミン類の補給源として肌を綺麗に保つことにも繋がります。便通や腸内環境が整うことからも肌荒れやニキビ・吹き出物などの肌トラブルの改善が期待出来ます。
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プルーン(乾燥プラム)の栄養成分・カロリーについて
ドライフルーツのプルーンは生のプラム(プルーン)よりも通年入手しやすく、間食としても食べやすく、栄養価も高いと言われています。確かに同じ100gずつの栄養成分含有量で比較した場合、プルーン(乾燥)は鉄分が1.0mgと約6倍に、カルシウムが39mgと約5倍・食物繊維が7.2gで3.5倍など、生状態よりは多くなっていることが分かります。そのほかにもβ-カロテンは1300μgと約3倍量が含まれていますし、ビタミンB6・ナイアシン・カリウムなどの含有量も多くなっています。
このため乾燥されたプルーンが栄養豊富であるとか栄養価が濃縮されているという言葉に偽りはありませんが、栄養が増えるというニュアンスには注意が必要。乾燥されているというのは水分が抜けている状態。元々プルーンは脂質の少ない食材ですから脂質量にこそ大きな差異ありませんが、炭水化物含有量については生12.6gに対して乾燥状態は62.4gと5倍近くに増加することになります。カロリーも生プルーンが100gあたり49kcalだったものが、乾燥プルーンになると235kcalと増加しますから、食べ過ぎには注意が必要です。手軽で効率の良い補給源であることに違いはありませんが、実際に食べる量やカロリーあたりの栄養成分量としてみれば“栄養が増えている”わけではありません。
ただし、プルーンに含まれている抗酸化物質(ポリフェノール)類は、果肉よりも皮の部分に多く含まれていることが認められています。生のままで食べる場合であれば食感・渋みが気になって食べにくいこともありますから、無理なく皮ごと食べられて抗酸化物質を補給しやすいこともメリットと言えますね。ガッツリ補給とは言えませんが、β-カロテンを手軽に補給できることから風邪予防に繋がる可能性もありますよ。
目的別、プルーンのおすすめ食べ合わせ
プルーンの選び方・食べ方・注意点
生状態のプルーンを購入する場合は、少し弾力があり、軸の部分が瑞々しく綺麗な色をしているものを選ぶようにします。品種によりブルームと呼ばれる白い粉が果皮表面に浮いているものもありますが、これは果物から自然に分泌されている天然物質であり熟した新鮮な果実の証でもあります。粉が出ているタイプであれば、ブルームが全体に綺麗に残っているものを選ぶことをお勧めします。ドライフルーツを購入する場合は製造年月日が新しく、粒が大きいものが良いとされています。
プルーンは追熟が早く、痛むのも早い果物。購入時に少し固いと感じた場合は室温において追熟させられますが、熟しているものであれば冷蔵庫に入れて早めに食べ切ると確実だと言われています。ただし品種によっては果皮にシワが寄ったくらいが食べ頃という説もありますので、品種や販売者さんの意見を調べてみても良いでしょう。また食べきれない場合はジャムやコンポートを作るか、軽く水洗いして冷凍保存するようにします。ジュースやコンフォートにすることが多いプルーンですが、カレーや肉料理の隠し味として料理に使用しても味にコクが出ますよ。
プルーンの注意点
プルーンは食物繊維やソルビトールなどが多く含まれているため、多量に摂取するとお腹が緩くなる可能性があります。特に乾燥されたプルーンを食べる場合は摂取量に注意し、一日2粒くらいずつから食べ始めるようにしましょう。鉄分補給として摂取する場合は、鉄分の吸収を阻害してしまうタンニンを含んでいるコーヒー・紅茶・緑茶などとは時間をずらして食べるようにすると良いでしょう。またプルーンはシュウ酸塩を含むため腎臓や胆嚢に問題のある方は症状を悪化させる危険性があります。かかりつけの医師などに相談した上で食べるようにしてください。
プルーン/プラムの雑学色々
プルーンとプラム・スモモの違い
プルーンとプラムは同じものを指す場合もありますが、スモモ類の果物を呼び分けるために使い分けられることもあります。と言うのもカリフォルニア プルーン協会さんによると、プラム(学名:Prunus domestica)には300を越えると言われるほどの亜種・品種があることが紹介されています。この様々な種類のプラムすべてを種つきで乾燥させても、美味しいプルーンになるわけではないそう。糖度が低いプラムを乾燥させると発酵してしまうため、糖度が高く発酵せずにドライフルーツを作れる特性のある数品種のみを「プルーンプラム」と呼び分けるケースもあるそうです。
またプルーンとプラムの違いを「生」か「乾燥」しているかで分ける場合もあります。メーカーなどによっても違いはありますが、ペースト状にしたものやサプリメント化されているなどの加工品もプルーンという呼び名が使われることが多いようにも感じますね。
プラムとプルーンの違いでもややこしいですが、更にプラムは日本にも古くからあるスモモと近縁種。植物としても非常に近いためプラムをスモモの種類の一部であるとする見解もありますし、プラム(plum)という言葉はスモモ属の植物全体の総称としても使われます。植物として東洋系統(日本すもも/学名:Prunus salicina)をプラム・西洋系統のスモモ(学名:Prunus domestica)プルーンと呼び分ける場合もありますね。
日本での消費者側の目線としては中国原産の丸い形・果皮が赤っぽい色をしたものをスモモ、ヨーロッパ原産の細長形・果皮が紫色系の色をしているものをセイヨウスモモ(プルーン)と区分するのが一般的ではあります。当サイトで栄養成分含有量の指標とさせていただいている『日本食品標準成分表』の情報を表示してくれる食品成分データベースでも“プラム”で検索すると日本すもも(Plums/Japanese plums)が、“プルーン”で検索すると西洋すもも(Plums/European plums)が表示される仕様になっています。