食べ物辞典:ごま
古くからアジアを中心に滋養強壮食材・民間医薬として使われてきた歴史のあるゴマ。現代でもゴマリグナンと呼ばれる抗酸化物質類を含んでいることが認められており、血圧やコレステロールの低減などの健康メリットが期待されています。カルシウムや鉄分などのミネラルも豊富で、大さじ1~2杯の摂取でも不足分を補ってくれる可能性があります。そんなゴマに含まれている栄養素や成分、期待されている健康メリットやそのエビデンス、注意点について詳しくご紹介します。
和名:ゴマ(胡麻)
英名:sesame
学名:Sesamum indicum
ゴマ(胡麻)とは
ゴマのプロフィール
ゴマは無くても極端に困りはしないけれど、あると味や見た目がワンランク上になる食材。煮物やおむすびなどに少し乗せるだけでも印象が変わりますよね。日本では胡麻和え・ドレッシング・お菓子など様々な料理に利用されている存在であり、スーパーなどでも必ずと行って良いほど販売されている身近な食材の一つ。ごまダレ・ドレッシングやふりかけなど沢山の加工品にも使われていますから、特に意識はしなくても日常的に口にしている食材と言えるかもしれません。
ゴマ料理と言えば日本の胡麻和えや中国の胡麻団子、ごま油もアジア系の料理で多く使われているイメージがありますが、ゴマは世界中で食されている食物の一つ。欧米ではパンや焼き菓子によく使われていますし、中東では“タヒニ”と呼ばれるゴマペーストが調味料の一つとして多く使われていますよ。私達が食べている「ごま」はゴマ科ゴマ属の一年草Sesamum indicumの種子部分。原産地はアフリカのサバンナ地帯とされており、現在でも約30種の野生種が自生しています。名前は似ていますが、エゴマはゴマの近縁種ではなく、シソ科に分類されるエゴマ(荏胡麻/学名:Perilla frutescens)という植物。種子もシソのものに近い形で風味も違いますから、名前以外はゴマとあまり似ていません。
ちなみに、ゴマの種子はオクラを小ぶりにしたような果実(鞘)の中にびっしりと詰まっており、種子が完熟すると鞘が破裂して種を落とすという性質があります。破裂してしまうと拾い集めるのは困難なので、作物としては稲と同じ様にゴマを茎ごと刈り取ってかた括り乾燥させる→乾燥したごまを莢から取り出すという方法で生産されています。非散乱性の品種も開発されていますが、そうでないものは機械で刈り取ると鞘が弾けてゴマが落ちてしまうため手作業で刈り取られるケースもあります。
野生種だけでも約30種あると言われるゴマ、世界中で作物化されているため栽培品種に至っては3,000種類を超えるとも称される存在です。日本でも21世紀に入ってからゴマの健康成分として注目されるセサミンやセサモリンを多く含んだ「ごまぞう」や「にしきまる」などの品種[1]が作られています。とは言え、消費者として普段意識するのはゴマの品種というより、種子の外皮の色にる黒ごま・白ごま・金ごま(茶ごま)の大きな区分。日本を含めアジアでは全色を使い分けていますが、欧米では白ごま、トルコほか中東では茶ごまが使われる傾向があります。英語で“sesame color”と検索するとやや濃いベージュような色見本が多く出てきます。
ごま油も同じゴマの種子部分を搾って生産されています。ごま油はアジアを代表する植物油の一つであり、アジアのオリーブオイルとも称される存在。インドから日本まで幅広く使われていますね。ゴマやごま油がアジアで広く愛されているのは栽培に適していただけではなく、古くは各地の伝統医学の中で薬効のある食材としても大切にされていた関係もあるでしょう。インドのアーユルヴェーダではごま油がマッサージオイルとしても使われていますし、中医学をベースにした薬膳料理でもゴマは利用されています。現在でもゴマは栄養価が高くWHO(世界保険機構)が健康のための食品として推奨したこと、抗酸化作用の高さが報じられエイジング対策のサプリメントなどにも活用されていますね。
余談ですが、日本は世界最大のゴマ輸入国でもあります。国内でも鹿児島県ほかいくつかの地域で栽培がなされていますが、世界的に見ると生産量はかなり少ない部類。国産ゴマは稀少な存在です。
黒ゴマ・白ゴマ・金ゴマの違い
品種はさておき、ゴマの大まかな区分としては黒ごま、白ごま、金ごまの3種類。この3種のゴマは基本的な漢方(薬膳)の考え方による効能では使い分けられているものの、栄養成分含有量に大きな差はなく、一度に摂取する量もさほど多くはない食材のため栄養素という面から見れば誤差程度の違いしかありません。しかし、風味や色の違いから適した料理は異なっています。
黒ごまは、3種のゴマの中で最も香りが強く味も濃厚。練りごま・ごま豆腐やごまプリンなどにも使われているように「胡麻の風味」を強く出したい場面での利用に適しています。黒ごまを主に利用しているのはアジア圏で、スイーツメニューに使われていることが多いのも特徴と言えます。日本のごま団子も黒ごまを擦ったものがよく使われていますし、中国をはじめ東南アジアまでの地域ではデザートとして黒ごまとお米を煮て作った“芝麻糊”という黒ごまスープもしくは黒ごま汁粉も親しまれています。
対して、白ごまは風味がマイルドでほんのり甘みがあり、他の食材とぶつかり合いにくいことが特徴。この性質から日本では胡麻だれ(ドレッシング)・白和え・ふりかけ・巻き寿司(裏巻き)などにも使われています。風味は上品ですが黒ごまよりも脂質量が多く、ごま油の原料として主に使用されているのも白ごまです。また、ビジュアル的な部分でも黒ごまほど主張しないことも大きな特徴。中華料理の胡麻団子や焼餅などにも使われているほか、ヨーロッパや北米でパンや焼き菓子によく使用されているのも白ごまです。3種のゴマの中では最も汎用性に優れており、世界的に使用されているゴマと言えるかも知れません。
金ごま(茶ごま)は三種のゴマのなかで最も香り高いと称される存在で、脂質量もトップ。少量でも濃厚な風味が出ることから煮物やきんぴらなどの上にトッピングされることも多いです。白ごまと黒ごまのメリットを併せ持つ存在とも言えますが、3種類のゴマの中では最も生産量が少なくお値段も高めとなっています。ドレッシングやふりかけなどにも合いますが、お値段の関係から金ゴマを配合したものは“ちょっと贅沢バージョン”というような扱いもあります。材料に金ごまのみを使った「金ごま油」もブランド的な扱いとなっていますしね。印象としては白ごまの上位互換版という感じでしょうか。
ごまの栄養成分・効果について
栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ゴマは不飽和脂肪酸を中心とした脂質が豊富で、植物性食品としては必須アミノ酸もバランスよく含まれています。ミネラルと食物繊維の含有量も豊富で、大さじ1~2杯でも普段の食事で不足しがちな分を補給することが出来ます。栄養豊富な食材ですので、古くから滋養強壮食材として扱われてきたのも納得ですね。ちなみに、ごま(乾)100gあたりのカロリーは586kcal、大匙一杯は9gとして考えると53kcalです。
ゴマの効果効能、その根拠・理由とは?
食物繊維補給・便秘予防に
ゴマは全体重量の約1割、100gあたり10.8gの食物繊維を含んでいます。仮に普段のお食事に大さじ1杯を加えるだけでも、トマトやオレンジを100g食べた時と同程度の食物繊維を補給することが出来る計算。ナチュラルなサプリ感覚で、不足しがちな食物繊維の補給をサポートしてくれる便利な食材と言えます。
また、食物繊維が補給できるだけではなく、ゴマに含まれているオレイン酸などの不飽和脂肪酸にも腸の潤滑剤としての機能が期待されています[2]。薬膳などでもゴマは潤燥滑腸=腸管を潤すこと働きを持つ考えられ、便が固い・コロコロした形状の方、排便に力む必要があり疲労感を感じる方に適した食材と称されています。オレイン酸の潤滑効果については不明な点もありますが、食物繊維の補給を合わせてスムーズな排便を助けてくれる可能性もあるでしょう。
抗酸化物質の補給源として
ゴマは東アジアでは古くから滋養強壮や老化予防に役立つ健康食材と考えられてきました。中国最古の薬物書とされる『神農本草経』にもゴマは不老長寿の秘薬として記述されています。不老長寿とまで言い切ってしまうのは過剰ですが、現代の研究でもゴマには“ゴマリグナン”と呼ばれる抗酸化物質が豊富に含まれていることが分かっています。
“ゴマリグナン”と言うのはセサミン、セサモール、セサモリン、セサモリノール、セサミノール、ピノレジノールなどのリグナンの総称[3]。これらの成分は強い抗酸化作用を示したことが報告されていることから、ゴマは抗酸化食材としても注目されています。ゴマにはリグナン類以外にビタミンEも含まれているため、活性酸素の過剰増加を抑制することでアンチエイジングや健康維持のサポートが期待されています。
ちなみに、ゴマリグナン類で最も強い抗酸化力をが期待されているのがサプリメントの成分としても使われている「セサミン」です。セサミンの1日の摂取量目安は10mg、ごまに換算すると約3000粒とも言われています[4]。ゴマ3000粒と聞くと大量のごまを食べる必要があるように感じますが、皮付きのごまは1000粒で大体2.5g前後。3000粒は7.5gの計算になるので、大さじ一杯よりも少ない程度の量です。一日大さじ1杯~2杯のごまを食べようという健康法の範囲内ですね。この程度であれば脂質の摂りすぎになるリスクも低いので、食事の中で取り入れることも出来るでしょう。
生活習慣病予防にも期待
セサミンなどゴマリグナンの持つ抗酸化作用は過酸化脂質の生成抑制にも繋がる可能性が、ゴマに含まれているオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸にもコレステロールの低減作用を持つ可能性が示されています。2013年『Bioorganic Chemistry』に掲載されたゴマリグナンについてのレビューでは、ゴマリグナンは人においても降圧作用やコレステロール低下作用を示したことが紹介されています[3]。加えて、ゴマには多く含まれているマグネシウムも血圧降下作用を示唆する報告があり循環器疾患との関連も研究されていることから、合わせて高血圧や動脈硬化・心臓病などの予防に役立つのではないかと注目されています。
貧血予防・血行改善
「貧血にはゴマ」「ゴマで大抵の貧血は改善できる」などと紹介されることもあるほど、ゴマは貧血よ予防改善に嬉しい栄養素が豊富に含まれている食材でもあります。貧血の原因として多いのは、鉄分摂取の不足による鉄欠乏性貧血。ゴマは100gあたりの鉄分が9.6mgと非常に多く、大さじ1杯(9g)でもアボカドやニラ100gと同等以上の鉄分を補給することが出来ます。赤血球の合成に必要とされる亜鉛も含まれていますので、特に女性が不足しやすい造血ミネラルの補給をサポートしてくれる食材と言えるでしょう。
貧血の改善によって、血液が不十分なために起こる血行不良・冷え性・顔色の悪さなどの改善に繋がる可能性もあります。ゴマに含まれている不飽和脂肪酸(リノール酸、オレイン酸)やリグナンなどの抗酸化物質は、血液循環を正常に保つ働きを持つ可能性がある成分でもあります。血液が十分に補給されることと、血流が改善されることで、血行不良の軽減や冷え性の緩和にも効果が期待できます。
ストレス対策にも期待
ごまには長らく日本人が不足しやすい必須栄養素として指摘されるカルシウムが豊富に含まれています。ごま100gあたりのカルシウム含有量は1200mgと、大さじ1杯(9g)程度の摂取でも牛乳を100ml飲むのと同じくらいのカルシウムを補給できる計算になります。加えて、ゴマはカルシウムと協調し合って働くマグネシウムも100gあたり370mgと比較的豊富。マグネシウムはカルシウムだけではなく、300種以上もの酵素の働きに関与し、様々な体の機能をサポートしてくれる存在です。
マグネシウムは“ハッピーホルモン”の別称もあるセロトニンの合成にも関わっています。セロトニンの分泌バランスが崩れるとストレス耐性の低下・うつや不眠症のリスクが高まる可能性があります。ゴマにはセロトニンの原料となるトリプトファン、セロトニンの活性に影響を与えるチロシン[2]などのアミノ酸も含まれています。アミノ酸類には他にも抗ストレス作用が示唆されているアルギニンなどもあります。
ゴマにはたんぱく質、たんぱく質代謝や神経伝達物質の合成に関与するビタミンB6も含まれています。こうした栄養素を複合的に補給できることから、ゴマはストレス抵抗性を高め、メンタル面での健康サポートにも効果が期待されています。
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女性の健康サポート
ゴマには鉄分・亜鉛・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。ミネラルは神経伝達物質をつくるためにも必要な存在ですし、ビタミンB6を筆頭としたビタミンB群もセロトニンなど脳内神経伝達物質の合成に必要です。こうした栄養素を不足なく補うことでPMS(月経前症候群) やイライラなど気分的不快感の軽減に繋がる可能性もあります。
また、リグナン類はエストロゲン様作用を示すフィトエストロゲンが含まれていることが報告されている成分もあります。ゴマリグナンもエストロゲン活性を示す可能性があることが報告されている[5]ことから、エストロゲンの不足によって起こる閉経期女性の骨粗鬆症や更年期障害・月経トラブルの軽減に役立つのではないかという説もあります。ゴマリグナンのエストロゲン様作用については研究数が不十分で有効性は分かっていませんが、ゴマはカルシウムを筆頭としたミネラルが豊富な食材。ミネラル補給の面からも骨粗鬆症予防をサポートしてくれるでしょう。
血糖値コントロール・肥満予防に
脂質の含有が多くダイエットには向かないと考えられてきたゴマですが、近年は脂質よりも炭水化物の摂りすぎが血糖値上昇や肥満リスクを高める危険性が高いとの説が有力視されています。ゴマは糖質含有量が低く低GIな食材ですし、たんぱく質が豊富。含まれている資質も不飽和脂肪酸類が占める割合が多いことから、適切に摂取すれば優れた栄養補給減として健康維持や肥満予防をサポートしてくれる食材として再評価されています。
加えて、ゴマリグナン(セサミン)の前駆体である“(+)-ピノレジノール”はマウスを使った実験でマルターゼ活性阻害作用が見られたことも報告されています[6]。マルターゼは二糖のマルトース(麦芽糖)を分解する酵素。デンプンはアミラーゼで麦芽糖に変化し、小腸内のマルターゼでブドウ糖に分解されて吸収されます。このためデンプンの分解・吸収を阻害し、血糖値上昇抑制や肥満予防を助けてくれる可能性があるのではないかと期待されています。
糖の吸収抑制作用については研究段階で、有効性は男性されていません。しかし、ゴマには不溶性食物繊維が豊富で、糖代謝に関わるビタミンB1も含まれています。こうした栄養素の補給からも便通改善や食べ過ぎを予防、糖代謝を良くして蓄積を防ぐなど肥満予防につながる可能性があるでしょう。直接的に血糖値の上昇を抑えるかは分かっていませんが、健康的な食事を意識したうえでどり入れるのならば心強いサポーターとなってくれるでしょう。
美肌・美髪保持
ゴマに豊富に含まれているミネラルは体が行っている様々な機能をサポートしています。皮膚の健康維持に対してもミネラルは重要であることが分かっており、例えば亜鉛やカルシウムは皮膚を健康に保つ働きが、鉄分は不足すると肌のくすみの原因となります。このためミネラル類の補給源として役立ち、たんぱく質代謝を行い健康な皮膚を維持するビタミンB6も含まれているゴマは肌荒れ予防や美肌サポート食材として紹介されることもあります。亜鉛やビタミンB2が含まれていることから、髪の成長促進や抜け毛予防に役立つという説もありますよ。
ゴマの特徴成分であるセサミンなどのゴマリグナン類は抗酸化物質でもあります。抗酸化作用によって活性酸素の過剰増加・皮膚の酸化を抑制することで若々しさの維持や肌荒れ予防にも繋がる可能性があります。そのほかゴマに多く含まれているビタミンE類のγ-トコフェロールにはチロシナーゼ阻害作用によってメラニン色素生成抑制作用が、リグナンにエストロゲン作用があれば角質層の水分保持に関わるセラミドの増加・コラーゲンの生成促進作用も期待できます。古代中国では不老長寿の秘薬とも称されていただけに、若々しさの維持・アンチエイジングサポートにも役立ってくれそうですね。
薬膳での黒ゴマ・白ゴマ・金ゴマの違いは?
ごまは種皮の色から黒ごま、白ごま、金ごまの3種類に分けることが出来ます。カロリーやビタミン・ミネラルなどの栄養素についてはほとんど差が無く、『日本食品標準成分表』でもゴマは乾・いりなど加工法によって分けられているのみで種皮の色による区別はありません。しかし、風味が異なりますし、漢方(薬膳)の考え方では効能も若干異なるとされています。近年はポリフェノールの含有に差があることも分かってきていますので、伝統的効能も馬鹿に出来ないのかもしれませんね。
黒ゴマの特徴・成分
黒ゴマは香りが強く濃厚。風味の強い野菜と和えるなど、胡麻の香りや味を強く出したい場面での利用に適しています。練りごま・ごま豆腐やごまプリンなどにも使われています。東洋医学では「腎」に作用する食材とされ、薬膳では肝臓や腎臓の機能を整えてくれる食材とされています。
成分的に見るとミネラル含有量が3タイプの中でも豊富な傾向があります。ただし、黒ゴマの種皮の黒色はポリフェノールの一種であるアントシアニンに由来するものと考えられていましたが、千葉大学から発表された論文では“DNAの読み取りの結果はタンニン系色素である可能性を示す内容”と記されています[7]。アントシアニンによる抗酸化作用や高コレステロール作用・視機能保持効果などは期待しない方が良いでしょう。
白ゴマの特徴・成分
白ゴマは黒ゴマと比べると風味がまろやかで、上品な風味と甘さが特徴。主張が強くないので食材・料理を選ばすに利用できます。東洋医学では「肺」に作用する食材とされ、薬膳では呼吸器系や皮膚に良い食材として取り入れられることが多いようです。成分的には脂質が多めで、ゴマリグナン/セサミンの補給に適しているという説も。
金ゴマの特徴・成分
金ゴマは三種のゴマのなかで最も香り高いと称され、香りの良さと程よいアクセントになる色味から高級和食などでもよく利用されています。価格も白ゴマ・黒ゴマより少しお高め。成分的に見ると3種のごまの中で最も脂質が多く、香りのよさと合わせて「ごま油」の原料としても最もよく使われています。薬膳では豆腐と一緒に食べることで胃腸虚弱や便秘の解消に良いとされています。
目的別、ゴマのおすすめ食べ合わせ
ゴマの食べ方・注意点
ゴマリグナンの一つであるセサモリンは、熱による分解によってセサモールへと変化します。この変化物質であるセサモールはセサモリンよりも抗酸化作用が強いことが示されているため、ゴマを炒るなど加熱してから食した方が高い抗酸化作用や健康メリットが期待できます。
ゴマの注意点
ゴマの種皮(外側の皮)は消化が良くありません。そのまま食べると消化されず、そのまま排出されてしまうことが多いです。このためゴマの栄養成分を効率よく補給したい場合は、摺りごまにして食べた方が効果的です。
ゴマは種実類であり、アレルギーを起こす可能性がある食材でもあります。消費者庁からは加工食品のアレルギー表示で「ゴマ」が推奨表示品目として設定されています。アレルギー検査で陽性と出ている方はもちろんの事、他の種実類にアレルギーがある方も体調に注意して摂取してください。
【参考元】
- [1]ゴマ種(Sesamum indicum L.) | 農研機構
- [2]Sesame Seeds: Top 11 Benefits, Healthy Recipes, and More
- [3]Lignans of sesame: purification methods, biological activities and biosynthesis–a review
- [4]びんちょうたんコム
- [5]Estrogenic activities of sesame lignans and their metabolites on human breast cancer cells
- [6](+)-Pinoresinol is a putative hypoglycemic agent in defatted sesame (Sesamum indicum) seeds though inhibiting α-glucosidase
- [7]第24回 日本ゴマ科学会つくば大会