食べ物辞典:イカ(烏賊)
お刺身から煮付け・フライ・塩辛まで様々に利用されているイカ。スルメは代々の繁栄・足が多いことからお金(=お足)が増えるなど縁起物としても親しまれていますね。日本は世界の年間漁獲量の約半分を消費している国だと言われるほどですから、国民食の一つとも言えるかもしれません。美味しいだけではなく、栄養面としても低脂質・低糖質でタンパク質補給に役立つほか、タウリンを含んでいることからも健康メリットが期待されている食材です。そんなイカの歴史や栄養効果、種類について詳しくご紹介します。
和名:イカ(烏賊)
英語:squid/calamari
イカ(烏賊)のプロフイール
イカとは
日本でも様々な料理に使われているイカ。洋食でもイカを使ったレシピは多いですし、地中海沿岸国でもイカを使った料理は食べられています。イカスミパスタやイカ墨のパエリアなんてものもありますね、そのため世界的に見てタコよりは忌避感の少ない食材のように感じがちですが、タコを食べない国の多くはイカも不吉な生き物という印象が強いと言われています。と言っても、現代では食のグローバル化などの影響もありますし、英語で“fried calamari”と呼ばれるイカフライ(イカリング)などは世界的に広く食べられているよう。
ところで「イカ」という言葉は軟体動物門頭足類うち、十腕形上目に含まれる生物の総称として使われています。分類として“上目”の下はさらに目・科・属・種に分かれますから、かなり大きな括りと言えますね。分類名もそうですし、イカとタコの違いとして“タコは8本足・イカは10本足”とも言われますが、厳密にはイカも足は8本。もう2本は「触腕」と呼ばれる獲物を捕える時に体内から伸ばす腕のようなものなのだとか。また軟体動物門は貝類などを含みますから、イカは魚よりも貝やカタツムリに近い生物であると紹介されることもあります。
イカと呼ばれる生物=十腕形上目に含まれる生物は世界に約500種、日本近海だけでも100以上の種類が生息しています。数が多いだけではなく外見や大きさも様々ですが、ただし私達が食用としている種類はその中のごく一部。西日本ではコウイカ目のコウイカも食べられていますが、ほとんどの食用イカは“ツツイカ目”に属すもの(スルメイカ、ヤリイカ、アオリイカ、ケンサキイカ、ホタルイカ、ヒイカなど)となっています。
このうち日本で消費されるイカの半数近くがスルメイカ。北海道から九州までと広い地域に生息しており、真イカとも呼ばれています。“スルメ”と付きますが生食や料理用にも利用されていますし、イカ類の中で単価が低いというのも魅力と言えますね。そんなスルメイカ(真イカ)は全国的な消費量が多いこともあり、日本では最も一般的なイカであるとも称されていますよ。ちなみにスルメイカは古くから東アジアで日本産イカとして知られていそうで、現在も英名では“Japanese Flying Squid”や“Japanese Common Squid”と表現されるそう。
ただし近年では需要に漁獲量が追いつかないため、スルメイカと同じアカイカ科のアルゼンチンマツイカやミナミスルメイカなどを輸入して代用品として使う場合もあるようです。また庶民の味とも言えるスルメイカに対し、少し細長い形をしたヤリイカや、ヤリイカよりも更に細長い形状のケンサキイカはイカの中でも高級品として扱われています。加熱調理も勿論ですが生食用にも多く利用されていますし、この2種類のイカで作られたスルメは「一番するめ」という最上等級品になります。
イカの歴史
イカが日本でいつ頃から食されてきたかは定かではありませんが、今から約4000年前の遺跡から“イカ形土製品”が発掘されていますし、縄文の人々は様々な海の幸を食べていたため、かなり古い時代からイカも食べていたと推測されていますが詳細は不明。文献としては平安時代に編纂された『延喜式』に、貢納物として烏賊の記述が見られるます。ちなみに干したイカを“スルメ”と呼ぶようになったのは室町時代以降。当時は呼び分けていなかったこと・地方から京まで運ぶことを考えると、この烏賊は乾物(スルメ)であったと考えられています。
平安時代には既に干しアワビや昆布などと共に中国との交易品にも選ばれており、中国で北宋時代(11世紀)に編纂された『図経本草』にはスルメイカが日本産のイカとして紹介されています。日持ちがすることから上流階級の人々重宝されていたそうですよ。現在でも中国・台湾・韓国など東アジアを中心にスルメはスナック感覚で食べられていますが、当時は庶民には手が届かない高級品だった可能性が高いですね。
後の江戸時代初期に記された『料理物語』からはイカが様々に料理されていた事がうかがえます。またお江戸の屋台では烏賊焼きや、イカの天麩羅などが売られていたことが分かっています。ご飯のお供として定番の塩辛も、江戸時代中期に大量に取れすぎたイカの保存・消費方法として塩漬けを改良して作られたのが起原とされていますね。そのほか火を通したイカの胴に米を詰めて輪切りにした“イカの印籠詰め(印籠寿司)”も販売されていたようですから、江戸時代のイカは庶民にも親しみやすい魚介類というポジションであったと考えられます。
対してスルメは江戸時代でも高級品。縁起物として贈答品に使われていましたし、中国への輸出も続いていました。ただし結納に“昆布(子生婦)”と“スルメ(寿留女)”を贈る習慣は江戸時代に定着していたことが分かっていますから、奮発すれば入手できるレベルではあったのでしょう。スルメが縁起物と考えられるようになった理由については、痛まず長く保存できることから代々の繁栄に通じる・足が多いことからお金(=お足)が増えると考え商売繁盛を願ったなどの説があります。縁起物として扱われる一方、博打打ちが“掏る目”に通じて縁起が悪いとして「あたりめ(当たり目)」と言い換えた、なんていう逸話もあります。
余談ですが、お正月などによく見かける“凧”も江戸時代までは「イカ(紙鳶/イカノボリ)」と呼ばれてました。元々は中国から紙鳶(シエン)として伝えられ、伝来当時文化の中心であった関西を中心にイカに似ているからイカノボリと言うようになったのだそう。江戸でも凧揚げが流行しますが、狭い町中での凧揚げで喧嘩や事故が多くなり、幕府から町中の凧揚げ禁止令が出されます。しかし凧揚げは止めたくないし、江戸っ子には京や大阪へのライバル心もありましたから「これはイカでは無い、タコだ」と言い始め、漢字も作ってしまったのだそう。
イカ(烏賊)の栄養成分・効果について
栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)
イカ類は低脂質・低糖質で、100gあたりのカロリーも88kcalと低めです。タンパク質が際立って多いという訳ではありませんが、イカのタンパク質は吸収しやすいとも言われており、重量比率やカロリーなどの面から見ても高タンパク食品と言えるでしょう。ビタミンやミネラルについては含有にバラつきがありますが、ビタミンEやビタミンB群・ミネラルではマグネシウムやセレンなどを比較的多く含んでいます。
イカ(真いか)の効果効能、その根拠・理由とは?
イカには様々な種類がありますが、ここでは消費量が多い「スルメイカ」の食品成分表記載数値を元に栄養価や期待できる健康メリットをご紹介致します。他のイカ類との差異につきましては後記のイカの種類と特徴を御覧ください。
肝臓サポートや二日酔い対策に
イカの代表成分として「タウリン」が挙げられます。タウリンは非必須アミノ酸の一種で、胆汁酸の分泌を促す・肝細胞の再生を促すなどの働きが報告されている成分。ラットを使った実験ではタウリンに脂肪肝の中性脂肪を除去する働きが見られたことも報告されていますから、肝機能向上や脂肪肝・肝臓疾患予防など肝臓全体の健康維持に対しても効果が期待されています。このため飲みすぎてしまう・晩酌習慣があるなど肝臓への負担が気になる方は、イカをおつまみにすると良いという説が浮上したわけですね。
加えてタウリンにはアルコールの分解途中で発生し、毒性の強さから二日酔いの主原因とも言われている“アセトアルデヒド”の分解を助ける働きもあります。イカにはアルコール脱水素酵素やアセトアルデヒド脱水素酵素の働きを助けるナイアシン、アルコール脱水酵素がアルコールを分解するときに必要とされる亜鉛も含まれていますから、悪酔いや二日酔いの予防・軽減にも効果が期待できます。
体力アップ・疲労回復のサポートに
イカは三大栄養素のうちタンパク質の含有量が多く、アミノ酸スコアも100とされている食材です。このアミノ酸の中には筋肉増強・疲労軽減に有効とされているBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)や、クエン酸回路を活発化し疲労物質の分解をサポートしてくれるアスパラギン酸なども豊富に含まれています。これら成分の働きで運動による筋肉量アップのサポートに役立つと考えられ、疲労耐性を高めることで疲れにくくなる・筋肉痛予防などにも期待されています。
また同じくアミノ酸の一種であるアルギニンもアンモニアを解毒する尿素回路(オルニチンサイクル)に関わる成分で、アンモニアの分解を高めることで疲労回復を促すと考えられています。うま味成分として知られているグルタミン酸も肝臓以外の部分でアンモニアと結合して無毒化する性質があり、ぼんやり感や集中力低下など脳に起因する疲労感の軽減に効果が期待されていますよ。
イカは身に固さがあるので消化に適さない・胃腸に負担が掛かりそうという印象を持たれていることもありますが、消化率としてはカレイなどの魚類とさほど変わらない事が報告されています。普段あまりものを噛まずに飲み込んでしまう方でもイカを食べると自然と噛む回数が増え、唾液・唾液中の消化酵素(アミラーゼ)の分泌促進にも繋がりますから炭水化物(デンプン)と合わせて摂ると良いでしょう。
抗酸化・生活習慣病予防の手助けも
かつて「イカはコレステロールが高い食品であるためコレステロール値が気になる方は食べないほうが良い」と言われていましたが、近年ではコレステロールの量は経口摂取分と体内生産分で一定のバランスを取り合っている=極端に食べ過ぎなければさほど心配は要らないと考えられています。
青魚と比較すると微量ではありますが、イカにもDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸が含まれています。オメガ3脂肪酸は悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪低下・血液サラサラ効果が期待されていますね。またイカには抗酸化作用を持つビタミンEが100gあたり2.1mg、抗酸化に必要な酵素(グルタチオン・ペルオキシダーゼ)の構成物質であるセレンが42μgと多く含まれています。タウリンやオメガ3系脂肪酸の補給と合わせて、適量の摂取であればイカは血管の詰まり・高血圧・動脈硬化などの生活習慣病予防に役立つという見解が主流となっています。
ダイエットのお供に
イカは低脂質・低糖質・高タンパク食材と言えますから、ダイエット中のタンパク質・アミノ酸補給源としても役立ちます。運動と組み合わせて摂取することで効率的な筋力アップ・脂肪燃焼促進効果が期待できますし、筋肉量が増えて代謝が高まることで太りにくい体質作りにも繋がります。ナイアシンやビタミンEなど血流を促すビタミン類も多く含まれていますので、合わせて基礎代謝向上も期待できるでしょう。
またアミノ酸の一種であるアルギニンは成長ホルモンの分泌を促す働きもあります。成長ホルモンは脂肪代謝・筋肉増強を促進させるなどの働きの他、食欲を抑える効果も報告されています。同じくアミノ酸のグルタミン酸もラットによる実験では脂肪蓄積効果が報告されていますし、「うま味」を感じさせることで満足感を高める働きも期待されています。イカそのものも噛みごたえのある食品なのでよく噛んで食べることで満腹中枢を刺激し、食べ過ぎ防止にも役立ってくれるでしょう。
疲れ目対策・視機能サポートに
タウリンは目の網膜にも使われている成分で、網膜の光受容体(光を完治して脳に伝える細胞)に存在し網膜を刺激から守っています。そのためタウリンは目の負担軽減・疲労回復などにも効果が期待されていますし、目の新陳代謝を活発にする・角膜の修復を助けるという報告もあります。目薬など外側からのケアにも取り入れられていますね。
このためタウリンを豊富に含むイカや牡蠣などの食品は、目の疲労回復や視機能改善などに役立つと考えられています。またイカの場合は血行促進や抗酸化作用によって老眼・疲れ目を予防してくれるビタミンE、視神経の機能を正常に保つ働きのあるビタミンB12も多く含まれています。ホタルイカなど小型のイカでない場合はビタミンA(レチノール)含有が低いので、β-カロテンを含む緑黄色野菜などと組み合わせて食べると相乗効果が期待できます。
お肌の健康維持にも
イカにはビタミンEやセレンなど抗酸化をサポートしてくれる成分が含まれているため、肌に対しても抗酸化作用によるアンチエイジング効果が期待できます。またイカはタンパク質・アミノ酸を比較的多く含みますし、特に皮にはコラーゲンも豊富に含まれています。アミノ酸の中には天然保湿成分(NMF)やコラーゲンの元になるグリシン、肌の潤いを保つ働きが期待されるアスパラギン酸なども含まれています。抗酸化作用と合わせて肌のハリや潤いを保つで助けをしてくれると考えられます。
ビタミンEには末梢血管を拡張させることで血流を促してくれる働きがありますし、同じく血行促進効果が期待されるナイアシンもイカには含まれています。抗酸化作用と合わせて、肌のくすみ緩和や新陳代謝向上も期待できますね。イカにはビタミンCがほとんど含まれていないため、ビタミンCを含む食材と食べ合わせるとより美肌作りに効果的です。
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目的別、イカのおすすめ食べ合わせ
イカ(烏賊)の選び方・食べ方・注意点
イカの薄皮には体軸に対して縦に並んだコラーゲン繊維が走っており、加熱するとこれが収縮することで身が縮みます。姿焼きにする場合はこの繊維を切るように、横もしくは斜め方向に切り込みを入れる・串を打つと縮みにくくなります。ただし横方向には筋繊維が走っていますので、小さく切って使う場合は“鹿の子切り”のように多方向に切れ目を入れておくと食べやすいでしょう。とは言え高温で長時間調理すると硬くなりやすいため、煮過ぎ・焼き過ぎないように注意しましょう。
美味しいイカの選び方
イカは泳いでいる時は透明で釣り上げると小豆色がかった黒となり、時間の経過とともに①黒味が薄くなり(赤茶色)白が交じる→②透明感のない白色→③赤茶けた斑点が出来て臭いが出てくる、という順で鮮度が落ちていきます。
スーパーなど店頭で購入する場合は①と②の間くらいが多いと思いますので、選ぶ場合は黒みがかってツヤ・透明感があるものを選びましょう。少し押して色が変化すると新鮮と言われています。商品であれば指で押すわけにもいきませんので、目が澄んだ黒色で少し出っ張っているかも確認してみてください。
イカの注意点
タコやイカなどの軟体動物はアレルギーが重症化しやすい食材と言われています。アレルギー反応はタンパク質の一種である「トロポミオシン」という成分や、うま味成分の一つでもある「トリメチルアミンオキサイド」が主原因と考えられており、加熱したり酢を加えてもさほど軽減はされません。かゆみや喉のイガイガ感などを感じた場合はもちろん、アレルギー反応を起こしやすい体質の方や体が弱っている場合も摂取を控えるようにすると無難です。
イカ(烏賊)の雑学色々
イカの種類と特徴・栄養比較
ケンサキイカ
高級スルメの原料としても重宝されるケンサキイカ。シロイカやマルイカのほか“アカイカ”や“ヤリイカ”という紛らわしい呼び方もありますが、ヤリイカよりも水揚げ直後は赤身が強く(※ただし時間が経つと白くなる)で身が厚こと、触椀が長いことが特徴です。縁起物用高級スルメ原料という印象もありますが、イカ焼きや刺し身としての味に定評がありますよ。カロリーは100gあたり84kcal。タンパク質がやや低く・脂質がやや多めになっていますが、アミノ酸量はイカ類の中でも多い部類とされています。
ヤリイカ
ケンサキイカに次ぐ高級イカとして扱われるヤリイカ。触腕が短いことから“テナシ”と呼ばれることもあるそうですし、その細長い形状からササイカ・テッポウ・シャクハチイカなどとも呼ばれています。身がやや薄いですが甘みががあるため、刺し身や寿司など生食用としてもよく使われています。夏が旬のスルメイカに対し、ヤリイカは冬が旬なのも特徴ですね。カロリーは100gあたり85kcal・全体的に見るとケンサキイカに近い栄養価です。
アカイカ
スルメイカと同じアカイカ科に属すイカで、スルメイカの代用としてよく利用されます。別名ムラサキイカ・バカイカなどとも呼ばれます。価格も比較的安価で身が厚いので冷凍ロールイカや惣菜類・炒めものなどによく使われていますし、さきいかの原料としてもよく使われています。カロリーは100gあたり89kcal。ビタミンA(レチノール)・ビタミンB群がスルメイカよりも少ない傾向にあります。
ホタルイカ
ホタルイカは6cm程度の小型のイカで、小イカ・マツイカなどとも呼ばれています。釣り上げたものをそのまま踊り食いすることは寄生虫の問題があるため出来ません。生のまま食べる場合は、内蔵を取り出し凍結することで寄生虫を殺す必要があります。加熱する場合は目玉と口を取り、沸騰した水で30秒以上茹でれば問題ありません。
ホタルイカは100gあたりのカロリーは84kcalと平均的ですが、タンパク質・アミノ酸含有量は他のイカ類よりも大きく劣ります。脂質量が多くなっているため、DHAやEPA(IPA)の含有は多くなっています。またビタミンA(レチノール)が100gあたり1500μgと群を抜いて多く、ビタミンB12が14.0μg・パントテン酸1.57mgと他イカ類を大きく上回っています。ビタミンEも4.3mgと他のイカ類の約2倍の含有量のため、目の疲労や視力低下が気になる方はホタルイカを選ぶと良いと言われています。ただしミネラル類では銅が100gあたり3.42mg含まれているため過剰摂取や食べ合わせには注意が必要。他ビタミン・ミネラル類については大差ありません。ちなみにこれらの数値は廃棄率0(加熱して内臓ごと食べた場合)のものです。
コウイカ
コウイカは細長い形状の上記イカ類とは異なり、丸みの強いずんぐりとした形状をしています。西日本でよく食べられているイカで、同部分が肉厚で、刺し身や寿司などの生食用・煮物や炒め物などの加熱用両方に幅広く活用されています。また墨袋が大きいためイカ墨もよく使われます。別名はスミイカ・ハリイカ・マイカなど。100gあたりのカロリーは66kcalと低く、水分量が多い分タンパク質・アミノ酸・脂質は低め。
スルメ
イカの干物であるスルメ。原料となるイカの種類や加工法によって若干の差はあると思いますが、日本食品標準成分表七訂では100gあたり334kcalとなっています。水分が抜けているためタンパク質の割合が約7割と非常に高くなっており、それに伴ってアミノ酸・ミネラル・ビタミンともに多くなっています。栄養補給源としても優れた存在ですが、カロリーが高いこと・塩分過剰になる可能性がありますので食べ過ぎには注意しましょう。
歯ごたえのあるスルメはよく噛んで食べることで満腹中枢を刺激し、食欲を抑える働きが期待されています。食前にスルメと水を摂取することで食べ過ぎ予防にも使われています。また噛むことで顔の筋肉を動かし、たるみ予防にも役立ってくれるでしょう。ただし噛みすぎると筋肉が発達しすぎて思ったような小顔効果は得られない可能性もありますので程々に。一定のリズムで良く噛んで食べることで眠気覚ましになる・セロトニン分泌が促されるという説もあります。ちなみにスルメ表面に浮いている白い粉もベタイン・タウリン・アスパラギン酸ほかアミノ酸の混合物ですので身体に悪いものではありません。