アスパラガスの主な栄養・期待される効果:後半
貧血・冷え性・妊娠中の方に
アスパラガスはほうれんそうや枝豆などには劣るものの、100gあたり190μgと野菜類トップクラスに入るほどの葉酸を含んでいます。また際立って多くはないものの鉄分0.7mgを始め、造血作用のある亜鉛やコバルトも含んでいますから、総合的に貧血予防・改善に役立つ食材と言えるでしょう。
またアスパラガスに含まれているルチン(ビタミンP)には、毛細血管をしなやかに保つ働き、血流をスムーズにしてくれる働きがあります。貧血改善・欠集改善のほかにも、アスパラギン酸による代謝促進作用、むくみ改善効果などと複合することで、冷え性の改善にも効果が期待できます。
葉酸は赤ちゃん(胎児)の成長にも必要とされている成分で、特に妊娠初期や授乳中の場合は平常時よりも多めの摂取が必要とされています。葉酸が豊富な食材は他にもありますが、好き嫌いが少なく料理の幅が広いアスアスパラガスを取り入れることでマンネリ化せず上手に葉酸補給が出来ますよ。
ダイエットサポート
アスパラギン酸などの働きによって代謝向上に役立つアスパラは、ダイエットサポート食材としても心強い存在と言えるでしょう。ビタミンやミネラルなどダイエット中に不足しやすい栄養成分の補充にもなりますし、100gあたり22kcalと低カロリーでありながら、歯ごたえのある食感でよく噛む=満腹感を得られやすいというメリットもあります。
またアスパラには食物繊維やオリゴ糖も含まれていますから便秘の予防・解消効果も期待出来ます。食物繊維含有量自体は100gあたり1.8gと際立って多い訳でないので便秘の解消にアスパラガスを大量に食べるというようなことはお勧めできませんが、普段の食事やダイエット中のメニューに加えると良いでしょう。
老化・生活習慣病予防
アスパラガスに含まれるビタミンPの一種ルチンはポリフェノール(フラボノイド系)に属し、抗酸化作用が認められている成分です。またアスパラガスには強力な抗酸化物質とされるグルタチオンが多く含まれていることも近年報告されています。そのほかにも抗酸化作用があるビタミンEやビタミンC、緑黄色野菜ほど多くはありませんが抗酸化力のβカロテンなども含まれていますから、様々な高酸化物質が相乗することで活性酸素の抑制に高い効果を発揮すると考えられています。
脳細胞の酸化を防ぐことにもつながりますので、認知症予防効果も期待出来ます。
ルチンは血管の弾力性を回復させ血液循環を整えることから、動脈硬化や脳血管障害予防に効果的との見方もあります。またすい臓の働きをサポートすることでインスリン分泌を促し、糖尿病の予防にも有効と考えられています。腎機能を助けることで高血圧予防効果が期待できるGABAや、免疫細胞活性化が期待できるサルササポゲニングリコシドなども含まれていますから、アスパラガスは抗酸化作用+αの働きで生活習慣病予防食材としても優れていると言えるでしょう。
美肌保持・肌老化予防
ビタミンA,C,Eやルチン・グルタチオンなど抗酸化物質を豊富に含むアスパラガスは、肌の老化予防やシミ予防・美白などに効果が期待出来ます。肌老化予防以外にも、アスパラギン酸にも肌の新陳代謝促進・保湿効果がありますし、ルチンの働きで血行が良くなることからも新陳代謝向上が期待出来ます。これらの働きから、アスパラガスは美肌作りにも役立つ野菜として親しまれています。
アスパラガスの種類と特徴
主なアスパラガスの種類と特徴をご紹介します。栄養成分の含有量につきましては食品成分表に表記が見られないため、数値としての紹介は控えさせていただいております。
グリーンアスパラガス
現在日本で食されている主流のアスパラガスで前ページで紹介した栄養成分・カロリーなどはグリーンアスパラガスをもとにしています。やや歯ごたえのあるシャッキリした食感と、爽やかな風味が特徴です。
ミニアスパラガスと呼ばれているものはグリーンアスパラガスを若いうちに収穫したものです。若い芽のため茎が細く柔らかい食感、青臭さが少なく甘みがあります。
ホワイトアスパラガス
グリーンアスパラガスと基本的には同じ種類になりますが、日光を当てずに白く軟化栽培させたものです。独特の甘味とほのかな苦味があり、グリーン種よりもジューシーさがあります。缶詰として売られているものは柔らかいですが、生のものは皮が硬いため皮を剥いて調理する方法が一般的です。
全体的に栄養価はグリーンに劣ると言われていますが、抗酸化作用のあるポリフェノールはグリーンの1.5倍という説もあります。また鉄分含有量もグリーンよりも多く、栄養価全てにおいてグリーンに劣るというわけではありません。
パープルアスパラガス
グリーンアスパラガスやホワイトアスパラガスとは品種が異なり、日本ではまだ流通量が少ないため量販店で見かけることはほとんどありません。糖度が高く柔らかい食感で、生のままでも食せます。
特料としては紫色の元となるポリフェノールの一種アントシアニンを豊富に含み、疲れ目の回復効果や生活習慣病予防(抗酸化作用)などが注目されています。加熱した場合は紫色が消えて緑色に変化してしまいますので、色味を生かしたい場合はサラダなど生で利用すると良いでしょう。ポリフェノール(アントシアニン)だけではなく、ビタミンの含有量も高いと言われています。
アスパラガスの選び方・食べ方・注意点
アスパラガスを選ぶ際には穂先が開いておらず、ぎゅっと詰まったものを選ぶようにすると良いです。鮮度が下がると穂部分が曲がってくると言われていますので、真っ直ぐなものを選ぶと良いでしょう。
保存する場合のポイントはアスパラガスを「立てておく」こと。横にして保存しておくと穂先が上(横)を向いて起き上がってきてしまい、そのために栄養や旨みを消費してしまうと言われています。収穫されたあとも成長を続けているため日に日に栄養価・風味共に損なわれていきます。2~3日であれば冷蔵庫で保存できますが、それ以上になる場合は電子レンジなどで軽く加熱(30秒~1分)して冷凍しましょう。
また茹でる際にも立てた状態で、アスパラガスの穂部分は水から出るようにして茹でることで甘みを引き出すことが出来ると言われています。そうすることで風味を損なわないのは勿論ですが、栄養が水に流れ出たり、グルタチオンが熱で破壊されるのを防ぐことにもなります。
アスパラガスのオススメ食べ合わせ
- アスパラ+鶏肉・ブロッコリー・人参・昆布
⇒風邪予防に - アスパラ+じゃがいも・チーズ・イカ・しめじ
⇒疲労回復に
- アスパラ+レモン・ローリエ・しいたけ
⇒美肌作りに - アスパラ+玉ねぎ・湯葉・タラ・りんご
⇒血液サラサラ