バナナの特徴と栄養成分・期待できる健康メリットとは

食べ物辞典:バナナ

手で皮をさっくり剥いて手軽に食べられ、しっとりとした甘さも嬉しいバナナ。日本でも人気の果物として常時上位にランクインしている存在ですし、健康維持やダイエットなど様々なメリットを期待して取り入れられている果物でもあります。ヘルシーな完全栄養食というイメージを持たれることもありますが、糖質量が多くカロリーも高め。鉄分やカルシウムなどは少ないものの、ビタミンB6やトリプトファンの補給に役立つなどのメリットもありますよ。そんなバナナの歴史や栄養効果について詳しくご紹介します。

バナナのイメージ画像:食べ物辞典トップ用

和名:甘蕉(カンショウ/ミバショウ)
英名:banana
学名:Musa acuminata/Musa balbisianaなど

バナナのプロフイール

バナナとは

好きな食べ物ランキングや国内果物消費量では常にトップに君臨しているバナナ。しっとりとした食感と「バナナ」としか表現しようのない独特の芳香・甘さが特徴的な果物です。近年になって冷凍・加工品として流通するようになったトロピカルフルーツ類に馴染みのない中高年層からも人気が高く、年齢によっては風邪をひいたら食べる・運動会に欠かせなかったという方もいらっしゃるかもしれません。かつて「病気の時はバナナ」と言われたのは、高価だったこと・栄養価の高さに起因しているそう。現在では逆に糖質が多くカロリーも高めであることから若い女性に忌避されがちな時期ももありましたが、近年“バナナダイエット”が提唱された関係などもあってか再評価されています。

食用されるバナナは“生食用バナナ(デザートバナナ)”と“料理用バナナ(クッキングバナナ)”に大別されます。日本で主に食されているのは生食用バナナですが、熱帯地域で主食として利用されているものは料理用バナナと呼ばれるもの。ちなみにバナナの生産はほとんどが熱帯・亜熱帯地域。熱帯地域の人々にとってバナナは重要な作物の一つで、蒸したり煮たりして食べられています。日本だとバナナを主食にする・料理すると言われてもピンときませんが、料理用バナナは甘みが少なくイモ類に近い風味。余談ですがバナナを主食もしくは重要な食料として食べている地域だと、バナナの葉も包み焼きする際の梱包やお皿として使われているのも見かけます。これはバナナの葉は切れ込みがなく大きいこと、防水性があり柔軟・抗菌性が期待できる=食べ物を包むのに最適だからなのだとか。

ところで、バナナは木になっているというイメージもありますが、分類上はバショウ科バショウ属の多年生植物(多年草)。あの木の幹のような部分は葉が重なり合って茎を鞘のように守っている“葉柄”と呼ばれるもの。仕組みとしては根深ネギの白い部分であったり、稲の茎と同じ構造になっています。バナナは世界中で食べられていると言っても過言ではない果物で、全世界での年間生産量は1億万トンを超えるほど。しかしバナナは温暖な気候を好み、育つためには水分も必要。このため生産の大半は熱帯・亜熱帯地域で、特に赤道を挟んだ北緯30度から南緯30度までのエリアがバナナ栽培に適している「バナナベルト地帯」とも呼ばれています。

バナナの和名は甘蕉もしくは実芭蕉で、私達が果物として食べているバナナは一種ではなくバショウ属(Musa)のいくつかの種に分かれています。バナナや甘蕉という呼び名は一般的には果実が食用に適しているバショウ属の総称なんですね。バショウ属は世界中に50種類以上、バナナの栽培品種を含めると300種類以上が確認されています。現在果物としてポピュラーな品種はアクミナータ種(Musa acuminata)とバルビシアナ(Musa balbisiana)が原種、もしくはこの2種の交雑種の(Musa × paradisiaca/Musa sapientumとも)となっています。この中で食用バナナとして世界的に最もポピュラーなのがアクミナータ種系列の“キャベンディッシュ(Cavendish)”と呼ばれる栽培品種。日本ではフィリピンから多く輸入されていたため「フィリピンバナナ」とも呼ばれています。Dole社のスウィーティオや、Sumifruの甘熟王などもキャベンディッシュをブランド化したもので、高地バナナと呼ばれているものもキャベンディッシュを標高400~1000mの高原で栽培したものを指します。国産の三尺バナナもキャベンディッシュの小型品種。

そのほかフィリピンやエクアドルから輸入され通称「モンキーバナナ」とも呼ばれる小型のバナナは“レディ・フィンガー(Lady Finger)”と呼ばれる品種系統。ねっとりとした甘さが特徴的な北蕉や仙人蕉などの台湾バナナ系統、レッドバナナとも呼ばれる果皮が赤紫系の色をしている“モラード(Morado)”品種などもアクミナータ系とされています。近年はスミフル・フィリピン社が開発した“バナップル”も「リンゴのような風味を持つバナナ」と話題になりましたね。

バナナの栄養成分・効果について

栄養成分含有量の参考元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

バナナは果物類の中では全体重量の約75%と水分量が少なく、カロリーも100gあたり86kcalとメロンの2倍以上、ブドウ糖や果糖・ショ糖などの糖質を多く含んでいます。ビタミンやミネラルも幅広く含んでおり健康的な果物とは言われていますが、完全栄養食=必要な栄養が全て摂れるというイメージを持たれている方は中が必要。国によっては主食=炭水化物源としても食べられている存在ですから、適度の摂取量を心がけましょう。

バナナのイメージ

バナナの効果効能、その根拠・理由とは?

エネルギー補給・疲労回復に

熟したバナナにはブドウ糖・果糖・ショ糖・デンプンといった糖質がバランスよく含まれています。吸収してすぐにエネルギーになるブドウ糖などと、でんぷんのように時間をかけてエネルギーに変換されるものがバランスよく含まれているため、即効のエネルギー補給とエネルギーの持続性両方に役立つと考えられています。手軽に食べられること共に、朝食や運動前などの栄養補給源としてバナナが優れた存在と言われている理由ですね。加えてバナナは果物類の中では代謝に関わるビタミンB群、特にビタミンB6を生100gあたり0.38mgと豊富に含んでいます。ビタミンB6は様々な代謝に関わる酵素反応に関与しており、エネルギー代謝や中枢神経の保持にも関わる栄養素。ビタミンB6を筆頭とたビタミンB群の補給からも疲労回復や倦怠感の軽減に繋がる可能性があります。

また、バナナにはアミラーゼとグルコシダーゼという酵素が含まれています。未完熟バナナは炭水化物の大半が難消化性デンプンですが、熟すにつれて糖へと変化し甘みが乗ってくるのもこの2つの酵素の働き。バナナを摂取すると消化酵素として、もしくは消化酵素を手助けする形で食物中に含まれる炭水化物の分解・吸収を助ける働きも期待されています。バナナが消化が良いエネルギー(糖質)源として病中・病後の栄養補給源にも取り入れられてきたのには、こうした理由も合ったのかもしれません。胃腸の調子が良くない時や、朝食を食べるのが辛いタイプの方の栄養補給源としても役立ってくれそうですね。

むくみ・夏バテ予防にも

バナナはカリウムを100gあたり360mgと青果の中ではトップクラスに入るほど多く含んでおり、同グラムで比較した場合はスイカキュウリを上回るほど。カリウムはナトリウムと競合して細胞内外の浸透圧を調整するミネラルで、ナトリウム量が多い場合はそれを排出させる働きがあります。カリウムが少ない状態でナトリウム濃度が高まると、私達の体は水分を取り込むことでナトリウム濃度を一定に保とうとします。このメカニズムによって体は正常な機能を維持していますが、水分を取り込むことでむくみが発生したり、血液量が増えることになるので心臓に負担がかかり血圧が上がりやすくなるという弊害もあります。

カリウムの補給によってナトリウムの排出が排出されることは、ナトリウム濃度を保つために蓄えられていた水分の排出にも繋がります。このためカリウムはむくみ・高血圧の予防に意識的に摂取したいミネラルに数えられています。バナナはカリウムの運搬をサポートしたり、正常な体液循環を保持する役割があるマグネシウムの含有量も生100gあたり32mgと果物の中ではトップクラス。カリウムとマグネシウムの補給に役立つことから、むくみ予防や軽減にも嬉しい果物と考えられます。

また、カリウムは汗などによって失われやすい性質があり、体内のカリウム量の低下は夏バテの原因の一つにも数えられています。カリウムに加えてバナナにはエネルギー源となる糖質やアミノ酸類・ビタミン類・ミネラル類が様々に含まれていますから、夏バテ予防やケア食としても役立ってくれるでしょう。余談ですが日本バナナ輸入組合さんによって8月7日は「バナナの日」に制定されています。これは日にちをバナナの語呂合わせにしているだけではなく、栄養豊富なバナナで夏を元気に乗り切ろうという意味合いもあるのだそうですよ。

お腹の調子を整える手助けに

バナナと言うと「食物繊維が豊富で便秘改善に役立つ」というイメージを持たれている方も少なくありません。しかし『日本食品標準成分表(七訂)』によると生バナナ100gあたりの食物繊維総量は1.1g野菜類と比較すると果物類は食物繊維が少ない傾向がありますが、その果物類の中でもバナナの食物繊維量はミカン類とほぼ同じくくらいと多い方ではありません。食物繊維の補給だけで見れば、同じ量のブルーベリーキウイフルーツを食べたほうが2~3倍の食物繊維を補給出来る計算になるのです。

にも関わらずバナナが便通改善に役立つ果物として親しまれているのは、難消化性デンプン(レジスタントスターチ)が含まれているのではないかという見解もあります。レジスタントスターチはヒトの糖として消化・吸収することが出来ないでんぷん質であり、食物繊維と同じ様な働きをすることが認められています。食物繊維は水に溶けず便のかさ増し・蠕動運動促進作用のある不溶性食物繊維と、水に溶けてゲル状になることで便の水分保持・善玉菌のエサになる水溶性食物繊維に分かれますが、レジスタントスターチはこの両方の働きを併せ持っていると考えられています。かつて冷ご飯ダイエットが話題になったのもレジスタントスターチが増えるためですね。

バナナは熟度によって未完熟に近ければ難消化性デンプン含量が高く、完熟するにつれて難消化性デンプンと食物繊維量が減少してペクチンなどの水溶性食物繊量が多くなるという性質があると考えられています。とは言っても『日本食品標準成分表(七訂)』には生100gあたりの食物繊維として、不溶性食物繊維が1.0g、水溶性食物繊維が0.1gと記載されています。水溶性食物繊維がしっかりと補給できるかは曖昧な所もありますが、バナナにはオリゴ糖(フラクトオリゴ糖)やビタミンCなど腸内の善玉菌を増やす働きが期待されている栄養素も含まれています。こうした成分を補給することで総合的に便通・お腹の調子を整えてくれる手助けをしてくれると考えられてます。

精神安定にも期待

バナナは精神の安定とも関わりが深いと考えられている神経伝達物質セロトニンの原料となる“トリプトファン(Tryptophan)”というアミノ酸を含む食材として、ストレス社会を生きる方のサポートに適した果物と紹介される事もあります。トリプトファンはハッピーホルモンとも呼ばれるセロトニンだけではなく、ドーパミンやアドレナリンなどの神経伝達物質の原料となるアミノ酸。こうした神経伝達物質もまた気力や集中力を保つ働きがあるため、トリプトファンの摂取不足を解消することで精神安定やリラックス・脳の活性化などに繋がると考えられています。

ただし、バナナのトリプトファン含有量は100gあたり10mg果物(青果)類の中では多い部類であり手軽に食べられるというメリットもありますが、ナッツ類や動物性食品と比較すると多いと言えるほどの量ではありません。例えばアーモンドには100gあたり200mg、サバ(鯖)であれば230mgのトリプトファンが含まれています。

このことからバナナのメリットはトリプトファン含有だけではなく、バナナには脳のエネルギー源となるブドウ糖やストレスに対処するために必要になるビタミンC、神経系の働きを正常に保つために必要なビタミンB6など脳・神経機能に関わる様々な栄養素を手軽に補給できるという部分にあるのではないかと考えられます。また、研究では炭水化物が豊富でタンパク質の少ない食事を摂るとトリプトファンとセロトニンの脳内レベルが上昇することが確認されており、トリプトファンを脳に効率良く送り届けるには炭水化物(糖質)と一緒に補給すると良いという見解もあります。バナナは糖質も多いですからバランスが良い食材と言えそうですね。

抗酸化・生活習慣病予防に

バナナは生100gあたりビタミンCを16mg、ビタミンEを0.5g、β-カロテンを42μgと若干ずつ抗酸化作用を持つビタミン類を含んでいます。加えて2000年に『Journal of Agricultural and Food Chemistry』に発表された神戸大学農学部の研究では、バナナには抗酸化物質であるドーパミンが含まれていることも報告されています。バナナに含まれているドーパミン血液脳関門を通過しないため気分や神経機能に影響を与えることはなく、ただ強力な抗酸化物質として機能するそう。そのほかアスコルビン酸(ビタミンC)やカテキンなどのフラボノイド系ポリフェノールが含まれていることも認められており、抗酸化食品の1つとして活性酸素・フリーラジカルによる酸化ストレスを抑制する働きも期待されています。

活性酸素は酸素を使う代謝の中でも普通に発生する物質で、私達の体を守るための機能も持ち合わせています。しかし過剰に活性酸素が増加してしまうと悪影響を及ぼし、体の持つ様々な機能を低下させたり、老化を促進するリスクファクターとなることが指摘されています。人の体にも活性酸素の増加や作用を抑える抗酸化酵素はありますが加齢によって減少すること・現代社会での生活は活性酸素の増加を誘発しやすいことから、体内の活性酸素を除去・抑制する働きを持つ抗酸化物質を補給し、フリーラジカル/酸化ストレスを軽減することが体を若々しく健康な状態に保つために必要であると考えられています。

また、抗酸化物質の補給はは若々しさの保持だけではなく、生活習慣病、特に血流系トラブルの予防にも役立つと考えられています。生活習慣病の発症リスクを高める要因の一つとして、過度なストレス・紫外線・喫煙などから発生する活性酸素が挙げられています。悪玉(LDL)コレステロールなどの血中脂質がが酸化して蓄積し、血管を狭めたり柔軟性を損なわせることで起こる動脈硬化が代表的ですね。バナナにはナトリウムを排出することで高血圧予防に役立つカリウムが豊富に含まれているため、特に心臓の健康維持に役立つ可能性があると期待されています。

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女性の健康維持に役立つ可能性も…

バナナに豊富に含まれているビタミンB6は月経前症候群(PMS)の緩和に役立つ可能性があると研究が行われている栄養素でもあります。1999年に『British Medical Journal』に掲載されたビタミンB6の有効性に対する系統的レビューでは、ほとんどの試験の質の低さによって結論が制限されていることを前提としてはいますが、ビタミンB6の投与が月経前症状および月経前うつ病の治療に有益な可能性が高いことを示唆しています。

そのほかビタミンB6はトリプトファンの代謝がスムーズに行われない際に増加する“キサンツレン酸”という代謝中間体の生成を抑制する働きも報告されています。悪阻(つわり)の重い人が尿中キサンツレン酸量が多いという統計があることから、トリプトファン代謝を助けキサンツレン酸の発生を抑えるビタミンB6はつわりの軽減にも役立つのではないかと考えられています。

PMS・つわりどちらとも有効性が認められているものではありませんが、サプリメントや投薬とは異なりバナナからのビタミンB6摂取は過剰摂取となる危険が少なく、ビタミンB6以外の栄養素を補給できるというメリットもあります。医薬品のような改善効果を期待するのではなく、食事改善の一環として間食やデザートをバナナに置き換える・朝食にバナナを加えるなどして見ると良いのではないでしょうか。

肌荒れ予防・美肌保持に

ポリフェノール類、β-カロテン・ビタミンE・ビタミンCなどによる抗酸化作用が期待できることから、バナナは肌のアンチエイジングなど美容面でも役立つ果物と考えられています。ポリフェノール含有量は果物類の中でもトップクラスとも言われていますし、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6を筆頭にビタミンB群の補給にもなるので内側からの紫外線対策や肌荒れ対策としても効果が期待できるでしょう。取り除いて捨ててしまうことも多い“バナナのスジ”には果肉よりも多くのポリフェノールが含まれていますから、アンチエイジング(抗酸化)を意識する場合はスジも残さず食べると効果的です。

間接的には便秘改善や腸内フローラのバランスが整うこと、セロトニンなどの分泌が高まることで良質の睡眠が取れることからも肌荒れ予防に繋がります。また腸内善玉菌が活発化すると腸内でのビタミン合成が促されますし、睡眠がしっかり取れると成長ホルモンによって肌細胞の修復・再生がしっかりと行われるなどのメリットも期待できます。1日2本のバナナを一ヶ月程度継続して食べると肌の調子が良くなるという統計もあるのだそうですよ。

バナナとダイエットの関係

バナナは年代によって低脂質で良いとダイエット中に食べたという方もいれば、果物の中では比較的カロリーが高く糖質も多い・体を冷やしやすいことから避けたほうが良いと聞いたことがある……など様々な言われ方をする果物。最近であれば「夜バナナダイエット」や「ホットバナナダイエット」などが提唱された時期もあり、ダイエット目的て食べたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

バナナがダイエットに役立つと言われている理由としては、三大栄養素の代謝に関わるビタミンB群を比較的多く含んでいるというのが第一に挙げられるでしょう。そのほか便通や腸内フローラの改善によって代謝が良くなること・カルニチンの合成に関わる必須アミノ酸類が含まれていることから、脂肪燃焼のサポート効果も期待されています。また「ホットバナナダイエット」であれば、バナナを温めるとオリゴが分解され善玉菌に取り入れやすくもなるので腸内フローラ改善により効果的である・バナナを加熱することで体を冷やす作用を軽減して腸を温めることによって代謝が良くなるというのも“売り”であったように思います。

ちなみに、夜バナナダイエットは夕食の30分前にバナナを2本+水分を摂るという方法で、バナナの栄養素を摂りつつ暴食を抑えるというのが主眼です。ちなみにバナナ100gあたりのカロリーは86kcal、1本あたり概ね90~110kcalですから1、2本程度の摂取であればそこまで心配する程のカロリーではありません。ただしバナナは糖質が多く、カルシウムや鉄分などのミネラルもそこまで多くありませんから、夜ご飯をバナナだけにするなど極端なことは避けましょう。

ちなみにバナナが血糖値にどう影響するか、2型糖尿病の予防や治療食として適しているかについては結論が出ておらず賛否両論。未完熟のグリーンバナナについては糖質の大半が難消化性デンプンであることが分かっており、食後の血糖値上昇抑制に役立つのではないかと考えられています。完熟バナナの場合は難消化性デンプンが消化可能な糖質に変化していることから懸念の声もありますが、2016年『Scientifica』に発表された3種のバナナの血糖値効果作用についての実験ではサンプルがα-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼ活性に対して阻害効果を示した事も報告されています。完熟バナナのグリセミックインデックス(GI)値は60前後とされていることもあり、適量の摂取であれば問題ないもしくは有益であるが、食べすぎには注意したほうが良いという見解が多くなっています。

目的別、バナナのおすすめ食べ合わせ

バナナの選び方・食べ方・注意点

美味しいバナナの選び方・保存方法

バナナは熟している度合いによって成分の含有が若干異なっています。あまり熟していない青っぽいバナナであれば難消化性デンプン(レジスタントスターチ)の含有量が多いので整腸に効果的という説もありますが、消化はあまり良くありません。程よく熟した黄色いバナナはビタミンB群やポリフェノールがバランスよく含まれており、抗酸化や美肌作りに良いと言われています。熟しきって茶色がかったバナナは消化酵素が増えて消化吸収に負担がかかりにくく、リン脂質の含有量が多くなるため胃粘膜保護・胃潰瘍予防に効果が期待されています。また免疫力を高める効果が高いという報告もなされています。

バナナは追熟する果物。植物防疫法の関係で日本に出荷されるバナナは未熟な状態で輸出されています。置いておくと出て来る茶色い斑点は「シュガースポット」と呼ばれ甘さが出ているサインです。基本的には常温保存で自然に追熟していきますが、冬場などは置いておく場所が寒すぎると追熟が止まってしまいます。保存時は自分の重みで潰れて傷んでしまわないよう山になるよう伏せておくか、バナナスタンドに下げておきましょう。一般的な食べ頃は果皮が鮮やかな黄色でポツポツとシュガースポットが出始めているもの、新鮮さの見分け方は房の付け根部分が瑞々しく新鮮であることと言われています。

冷蔵庫に入れると低温障害で黒ずんでしまいますので、冷やして食べたい場合でも数時間程度冷蔵庫に入れる程度にしておくと良いでしょう。また皮を剥いて時間がたったバナナは褐色になりますが、こちらはリンゴなどと同じく酸化によるもの。予め盛り付けておきたい場合などはレモン汁などをかけておくと黒ずみを予防できますよ。

【参考元】